コース |
あまりにも広大すぎて、1本1本のコースを細かく覚えていないというのが実情。滑った行程のおおまかなところを記させていただく。
1日目・・・スネガEX→ブラウヘルト→ロートホルン→ガント→ホッタール→ゴルナーグラード
2日目・・・観光
3日目・・・主にスネガエリア
4日目・・・フーリからゴンドラに乗車→トロッケナーシュテークより下
5日目・・・クラインマッターホルン
≪1日目≫
翌日から大嵐になるという天気予報だったため、まわれるだけまわっておこうという少々強行なスケジュールとなった。
スネガエクスプレスに乗り、その後ゴンドラを使ってブラウヘルトへ。さらにロープウェイでロートホルン。ここではじめてスキーを履いたのだが、滑り出してみるとなぜだか感覚がおかしい。足ウラに伝わる感触は確かに斜面を滑り降りているものなのに、目に見えている雪面は平らなのだ。
どうやらこれは3000Mを超えてしまっている標高のせいで、ちょっとした高山病の状態になってしまったらしい。事前にガイドの佐々木さんの勧めで購入しておいた“グリコラミン”という高山病対策のキャラメルを舐めて事なきを得た。
その後ガントまで降り、ロープウェイを2本乗り継いでゴルナーグラード。途中で見たはじめての氷河に感動した。青白く透き通るような色の美しいこと!
ゴルナーグラードのレストハウスで昼食をとり、フィンデルバッハという登山電車の途中駅まで降り、そこで乗車してリュフェルベルグで降車して解散となった。
≪2日目≫
前日の予報どおり大嵐となり、明け方ゴーゴーと唸る風の音で目が覚めるくらいであった。
朝の佐々木さんとのミーティングで、午前中はリフト・ゴンドラがほぼ全休と知らされた。午後からは登山電車が動き出して滑れるようになるかもしれないが、くれぐれも無理はしないようにと念押しされた。そこで今日は嵐がおさまってきたら街中の観光をしようということに決めた。
しかし午後になる前に次第に晴れてきて、佐々木さんから登山電車が途中駅まで動きはじめたとの連絡が入った。夫は滑ることを主張したのだが、滑るといってもコースが限られているので私は観光を主張。街中の散策と登山電車に乗って氷河見物をした。
結局終点のゴルナーグラードまで行くことが出来たので夫にはちょっと恨まれたが、のんびりと過ごせてこれはこれでよかったと思う。
≪3日目≫
まだゲレンデ上部は大嵐とのこと。大型台風の代名詞・伊勢湾台風並みの風が吹き荒れているらしい。おもにスネガエリアを滑った。
≪4日目≫
この日もまだ天候は回復せず。ただしだいぶ滑ることのできるエリアは広くなり、そこそこ楽しむことが出来た。
≪5日目≫
ついに晴れた! しかし前日までの大荒れの天気のため、イタリア側へ滑り込むコースは整備が間に合わないとのこと。残念ではあるが、クリスマスのかかるこの時期に旅行代金が安いのはこういうことなのかとちょっと納得であった。
この日は年末年始をひっかけてツェルマットへきた次のツアー組みと合流して滑ることとなる。
クラインマッターホルンへ行く前に、スイスとイタリアの国境にある山小屋風の喫茶で一服。本場のカプチーノを飲んだ。一応コレでイタリアへもいったのである♪
そしていよいよなが〜いTバーリフトで、クラインマッターホルンへ。「氷河の上に雪がのっている状態で、どこにクレバスがあるかわからないから、スキー板は絶対に履いたままでいないと落ちる可能性がある」ということと「楽に移動しようとしてコース外を滑るとそこにクレバスがあってやはり落ちるかもしれない、現に先月そこのコース外を滑ってしまったアメリカ人がクレバスに落ちて死んでいる」などと事前に警告を受けていた。
とにかく平らな場所なので、スケーティングで移動するのも一苦労。それに富士山の頂上よりも標高が高いだけあってちょっと動くとすぐに息切れしてしまう。きっとそのアメリカ人も少しでも移動距離を短くしたくて近道してしまったのだろう。
それにしてもここではつくづく自分の脚前のなさを実感した。必死で頑張っているのだが、どうしても遅れをとってしまい、一緒に滑っている方たちには非常に申し訳なかった。そのうち斜面になってきたのだが、すでにかなり疲れてしまいこれまた追いつけないのだ。
佐々木さんから「自分のペースでいいから、とにかく怪我のないように」と言われ、なんとか集合解散地点までたどり着いた。他の方たちはそのまま続けて滑りに行き、夫と私はここでレストハウスに入った。「ハゲブッテンウィズ
オレンジ」と言って、オレンジの輪切りが入っている酸味のある紅茶を飲む。疲れた体に適度な酸味がとてもおいしかった。
ちょうどこのころから雲が取れてきて、間近にマッターホルンを眺めることが出来た。まさしく目の前に“ある”というかんじで、迫力を感じた。
運が悪いとクラインマッターホルンまで来ることも出来ず、さらにはマッターホルンそのものの姿すら拝めないという場合もあるそうなので、こんな何十年かぶりの大嵐の時期に当たったにしては運が良かったと思うしかない。
残りの時間はゲレンデの中部を何本か滑って過ごした。
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リフト |
なにしろスケールが大きいので、主な移動手段はリフトよりも100人以上は乗ることのできる大ゴンドラ(ロープウェイ)が中心。
最も強烈だったのは、スネガエリアを走る地下鉄“スネガエクスプレス”である。ガイドブックで読んでいたのでその存在自体は事前に知っていたのだが、速度がハンパでないのには驚いた。まさに“エクスプレス”という名に恥じないスピード。
またゴルナーグラードエリアを走る登山電車は、車窓からの景色が素晴らしい。駅には展望台があり、そこから見る氷河は圧巻。ホテルとレストランも入っている。しかし私は標高が高いためかだんだんと頭がボーッとしてきてしまった。麓へ降りていくにつれて良くなってきたので、やはり高山病の一種だったのだろう。
その他に印象的だったのが氷河で乗ったTバーリフト。下の氷河が毎年5センチほどずれるため、架け替えの簡単なTバーリフトしか架けられないということである。 |
リフト券 |
リフト券はツェルマットの全ゲレンデ&チェルビニアでも有効の5日券を購入。日本円で25,000円くらいだったと思う。その他にもいろいろリフト券の設定があり、長期滞在者の多いツェルマットだけあって、有効日数21日間というリフト券も存在する。
またリフト券はオートゲートシステム用でデポジット方式になっており、返却時に幾ばくかのお金が戻ってくるようになっている。しかしマッターホルンの美しい絵が入っているものだったので、1枚は返却せずに記念に取っておいた。
このリフト券の驚いたことは、なんとスキーウェアのポケットに入れておいてもオートゲートシステムできちんと機械に感知されることである。日本スキー場では、オートゲートシステムを取り入れていてもエラーが出たりすることがけっこうあるのに、あまりの感度の良さに感心した。 |
レンタル |
私たちはブーツだけを持参し、ウェアと板は現地のレンタルを利用した。
しかし他の参加者の方たちはウェアも持ってきていて「ウェアを持ってこない人なんてはじめて」とガイドの佐々木さんに絶句されてしまった。でもまさかウェアなんてかさばるものを持参するのが一般的だとは思わなかったのだ!
でもレンタルで大正解!上は赤、下は黒のスキーパンツで素材がとても良くて暖か。もし自前のスキーウェアだったら、あまり良いものではないのでとても寒いツェルマットでは凍えていたに違いないと思う。
板は身長と脚前を自己申告して、店員さんが選んでくれた。
料金は正確な数字が残っていないのだが、日本よりちょっと安いくらいだったと思う。ただモノが良かったことを考えれば、対費用的に考えると安いくらいに感じた。
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レストハウス |
【食事処】
いろいろなレストハウスを利用したのは覚えているのだが、どこのレストハウスでどこの料理がおいしかったというのを細かく覚えていない。
全般的に言えることは、どの店もハズレがなかったということ。日本でゲレ食というと、最近は変わりつつあるとはいえあまりおいしくないというのが一般的だ。
しかしツェルマットは何でも本格的。スープは具沢山で種類も豊富だし、ソーセージとポテトオムレツの盛り合わせもボリュームタップリでとてもおいしかった。値段は日本よりちょっと高いくらいだったが、味と量を考えればむしろ安いといえるだろう。
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周辺情報 |
【宿】
ツェルマットは温泉地ではないので、クアハウス等の施設はないが、宿泊した施設は4ツ星だったのでジャグジーやプールが備えられていた。しかし水着を持参していったものの、水泳嫌いの夫は入ろうとせず結局利用しないまま終わってしまった。
宿泊先は“アルペンリゾートホテル”といって、全室マッターホルンビュー。広い部屋とバルコニーがあり、落ち着いた雰囲気のホテルだった。新婚旅行だからこんな良いホテルに泊まれたようなもので、きっとこのさき縁のないようなホテルである。
食事がとにかくおいしい!朝食はビュッフェ方式で、ハム・チーズ共にかなりの種類があり、サラダ・フルーツ・パン・卵など、どれもおいしいものばかりだった。ただチーズにはまれにスッゴイ癖のあるものもあって、呼吸が止まりそうになったこともあった。夕食はスープとメインが選べるコース料理。一例を挙げてみると・・・
≪12月26日の夕食例≫
・ツェルマット牛のブイヨンスープ 又は ペルー産アーティチョークのクリームスープ
・魚のアジア風オリーブオイル風味の蒸し煮
・ビュッフェのサラダ
・アメリカ産若馬のフィレ肉ペッパーソース 又は 鳥の極上肉マロングラッセ風味
・イタリア風じゃがいものニョッキとフランス風ほうれん草添え
・ビュッフェのデザート
という具合であった。またラクレット(チーズフォンデュと似ている)という溶かしたチーズをじゃがいもやピクルスにつける、レマン湖周辺地方の名物料理が出たことがあった。これがおいしくて、ピクルスのしょっぱさは少々苦手だったが、何皿もおかわりしてしまったほどである。
またこちらの人は食事と共にビールを飲むことはなく、必ずワインである。佐々木さんが手ごろな値段でおいしいワインを教えてくれて、私たちも日本にいればビールのところをワインで楽しんだ。一度の食事で飲みきれないワインはレストランで預かってくれて、翌日のディナーでまた飲むことができる。
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アクセス |
【アクセス行き】
1999年12月23日、成田空港12:55発のスイス航空にて出発。約13時間の旅である。チューリヒでスイス航空の国内便に乗り換えてジュネーブに到着した。空港で現地ガイドの方が出迎えてくれ、ここではじめて今回のツアーで一緒の方たちと合流した。空港から程近い“フォーラムパークホテル”へ案内される。
この日は夕食がつかないので、このホテルの脇にあるコンビニでジュースとサンドイッチを購入した。サンドイッチの中に入っていたサーモンが塩辛かったが、パンがゴツゴツした固めのパンだったので、なかなか味がマッチしておいしかった。
翌朝のホテルの朝食はビュッフェ方式。前日にガイドの方からこのホテルの朝食は種類が豊富で良いときいていた通りだった。ハムとチーズの種類は豊富で夫はほぼ全種類を制覇!おいしいものが大半だったが、なかには目がテンになるくらいの癖のあるものもあったということである。
朝食後、ホテルのマイクロバスで空港駅へ向かい、駅構内で昼食用のサンドイッチとジュースを調達。そこから列車に乗った。日本の線路より規格が大きいのか、車内に幅があり座席もゆったりしている。途中、車窓から見えたレマン湖がとても美しかった。
ビスプという駅に到着し、そこから今度は登山列車へ乗り換える。乗り換え時の移動距離はそんなにはないものの、手荷物のほか大きいトランクもあるのでエスカレーターのない階段の移動は少々しんどかった。
ビスプからツェルマットまで山肌にへばりつくようにして走る列車からの景色はとても美しく、1000mの標高差を登ってツェルマットに到着。駅にはツェルマットでのガイド・佐々木さんが迎えに来てくれていた。
ちなみにジュネーブ空港駅〜ビスプまでは約3時間、ビスプ〜ツェルマットまでは約1時間強という乗車時間である。
ツェルマット駅からホテルまでは、ホテルのマイクロバスで移動。チェックインの手続きを済ませた後、ガイドの佐々木さんから翌日以降の予定と、街中の案内をしてもらった。
【アクセス帰り】
ツェルマットに6泊し、来た時と同じ経路を辿って、12月30日に日本へ向かった。
どんな旅行でも大抵は帰りのほうが荷物が多くなるものだが、このときもまさしくそうであった。パッキングには自信があるので何とかとランクへ詰め込んだものの、重量オーバーなのは明らか・・・。佐々木さんに“最近、航空会社が重量についてうるさくなってきているから超過料金をとられるかも”と脅されていた。できるだけ手荷物用の鞄に重いものを移し、重量がある本やコスメ類などはホテルに捨てるハメに。
ドキドキの搭乗手続きだったが「次回からは重量オーバーしないように気をつけてください」という注意を受けただけで済んだ。
飛行機はガラガラで、1人1列状態。行きの飛行機はかなり混んでいたので、帰りは気分的に楽だった。
成田空港から自宅へトランクを宅配便で送ろうとしたところ、ツアー中も大変お世話になったFさんが「○○ネコだと重量超過料金を取られるから、○○○サービスの宅配便を使ったほうがいいよ」と教えてくれた。
また、トランクの一部が破損しているのにも気づいてくれ「航空会社に破損の証明書を書いてもらったほうがいい」とアドバイスもしてくださった。なにぶんはじめての海外旅行に近い2人だったのでFさんの存在はとても心強く、大変感謝している。
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駐車場 |
スイス在住の方でない限り車でツェルマットへ行こうとは考えないと思うが、一応知っている範囲で書いておくことにする。
ツェルマットは車の乗り入れが禁止されている町で、街中は電気自動車と馬車(さすがに観光用だが)が交通手段となる。
車の場合はビスプの駐車場へ車をおいてそこから登山電車に乗る、またはツェルマットから少ししたの街テーシュに車を置き、バスでツェルマット入りとなるそうだ。 |
関連HP |
【スイス政府観光局】
都市情報-ヴァレー地方-ツェルマットと辿ると、ツェルマットの観光情報をみることができる。
【JTB】
クロサワトラベルが旅行業から撤退してしまい、我が家がツェルマットへ行った時にお世話になったベテランガイドの佐々木さんはどうしているのだろう?と思っていたら、いまはJTBでスキーガイドをされていることがわかりました。
頼れるガイドを!と思うなら佐々木さんをオススメします!
【フェロートラベル】
我が家がクロサワトラベルとどちらにするか迷った会社。日程の関係で結局クロサワにしたのだが、この会社も問い合わせに対する対応がよかった。
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